瞑想講座の狙い・概要

私は定期的に「瞑想マスター講座」という全8回の講座を開催しています。

この講座を始めてから、早いもので4年ほどが経ちました。ありがたいことに、ここ2年は常に満席です。

この講座は、ただ「いろんな瞑想をやってみましょう」という講座ではありません。各回の講義と瞑想には、すべて明確な狙いがあります。

「瞑想的な意識」を育てるためには、最低限この8回が必要なのです。ここでは、私が考える講座の狙い、流れについてお話ししていきます。

最初に取り組む「手動瞑想」

最初に取り組むのは、手を動かす「手動瞑想」です。手をリズミカルに決まった動作で動かしながら、手に意識を向けていきます。

瞑想といえば静かに座るイメージがあるので、一見瞑想らしくありません。しかし、これがとても効果的です。マインドフルネスで最も重要な「気づき」が、体感としてとてもわかりやすいのです。

意識が思考にとらわれ、今ここから離れた状態から、「ハッ」と我に返り、今ここに戻る。

この瞬間が「気づきの瞬間」です。マインドレス状態(今ここにいない状態)から、今ここ=マインドフル状態に戻ってくる瞬間であり、とても大切なプロセスです。

そして手動瞑想は、この瞬間を最も体感しやすい瞑想です。

瞑想といえば、呼吸に意識を向ける「呼吸瞑想」が一般的ですが、人によっては呼吸瞑想だけでは、この「気づきの瞬間」を体感しにくい場合があります。

呼吸瞑想はリラックスはしやすいです。しかし、リラックスと気づきは似ていますが別物です。そのため、人によっては瞑想を何ヶ月続けても「気づきの体感がわからない」ということが起こり得ます。

そうならないよう、最初に手動瞑想を行い、「気づきの体感」をしっかりと磨いていきます。

2回目からは呼吸瞑想へ

2回目以降は「呼吸瞑想」に取り組みます。

呼吸瞑想で行うことは
「思考に気づく」「呼吸を感じる」
この2つだけです。とてもシンプルです。

シンプルなのですが、この時の「力加減」が重要になってきます。

「思考に気づく」「呼吸を感じる」といっても、実際は人によってその「力加減」がぜんぜん違います。

ある人は全身を緊張させ、呼吸を全力でつかみにいこうとします。ある人はリラックスしながら、体全体で優しく呼吸を感じます。

思考に気づく時も同じです。
「また思考してしまった」と自分を厳しく責める人もいれば、ただ気づいて穏やかに呼吸へ戻る人もいます。

このように、同じ「思考に気づく」「呼吸を感じる」でも、その人の心の癖によって、やり方が大きく変わります。

この「力加減」については、あまり説明されることがありません。そのため多くの人は「ちょうど良い力加減」がわかりません。しかし、力加減を間違えると、瞑想が苦しいものになってしまいます。

そして、「自分は瞑想が苦手だ」となり、挫折しがちです。挫折しないためには、この力加減を理解することが大切です。

アウェアネス瞑想(ヴィパッサナー)への発展

呼吸瞑想から発展し、アウェアネス瞑想(ヴィパッサナー)へ進んでいきます。

呼吸だけに集中していた段階から、徐々に意識をオープンにして、開放された意識を育てていきます。呼吸をベースにしながらも、全体性に気づいている意識へと移行していきます。

瞑想では、意識を体に収めて落ち着かせますが、内側に閉じこもるわけではありません。意識は体にありならがも、同時に外に開かれています。

内側に閉じこもってしまうと、瞑想中はよくても日常では使えなくなります。しっかりと地に足をつけ、体に意識を収めつつも、広く解放された意識を育てていきます。この段階がわかってくると、「現実に使える瞑想」になっていきます。

6回目は「感情を扱う」練習

6回目では「感情を扱う」練習を行います。

いわゆる「内観」を行います。世の中には内観のメソッドはたくさんありますが、自分の感情を見ることは、実はなかなかに難しいものです。

感情を見ようとしても巻き込まれ、ただ感情的になってしまうだけのこともありますし、逆に、感情をコントロールしようとして戦いになってしまうこともあります。

感情を観察するには「気づき」が必要です。気づきが育っていない状態で感情を観察しようとしても、なかなかうまくいきません。気づきが育って初めて、自分の内面をまともに観察できるようになります。

本講座では、5回目までで「気づき」を磨き、そのうえで感情を観察します。

感情は
・感情にまつわる思考
・感情にまつわる身体感覚
の2つで構成されています。

5回目までに、「思考への気づき」「身体感覚への気づき」という2つを鍛えているため、そのスキルを使って感情を観察することができます。

さらに、感情は強いエネルギーを持ちます。閉じた狭い意識ではそのエネルギーに圧倒されてしまいますが、アウェアネス瞑想(ヴィパッサナ)で培った「オープンな広い意識」があれば、圧倒されずに観察することができます。

感情の観察は、瞑想で鍛えたさまざまなスキルを総動員する「総合的な取り組み」なのです。

7・8回目は「日常で瞑想を使う」ための実践

7回目と8回目では「日常の瞑想」というテーマに取り組みます。

座って瞑想している時は良くても、日常ではすっかり忘れてしまう。

これは多くの人に起こることです。しかしそれでは瞑想の効果を活かせません。日常生活こそが瞑想の本番だと言われます。そのために必要なのが、体の使い方と呼吸の使い方です。

私たちは普段、無意識に体を緊張させ、呼吸を止めたり浅くしてしまう癖があります。この緊張状態では「瞑想的な意識」は生まれません。

講座では、日常動作の中で体や呼吸をチェックし、緊張を解除する練習をします。緊張が取れてくると、自然と「瞑想的な意識」が起こるようになり、日常に浸透していきます。

さらに、歩きながら行う「歩行瞑想」にも取り組みます。瞑想的な意識を、動きのある日常生活の中に持ち込めるようにしていきます。

静かに座る瞑想だけでは、日常に応用できません。音があり、人がいて、動きがある環境でも瞑想的な意識を保てるよう、実践的な練習をしていきます。

まとめ

瞑想マスター講座は、ただ瞑想をイロイロやってみるだけではなく、 段階を追って意識を育てていくための8回構成になっています。

手動瞑想で気づきの体感を磨き、呼吸瞑想とアウェアネス瞑想で意識を育て、さらに感情観察や日常動作の中での実践へと発展していきます。

特殊な環境だけで成立する瞑想ではなく、人生そのものを支える「現実的な瞑想」を身につけていくプロセスです。この講座を通して、瞑想が日常に自然と浸透し、自分の内面との付き合い方、外の世界との付き合い方が深く変わっていくことを実感できるでしょう。

瞑想マスター講座申し込みページ

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この記事を書いた人

大学で物理学と情報工学を学び、卒業後は大手オフィス機器メーカのRICOHで、情報通信技術やテレビ会議システムなど、様々な新規技術の開発に従事し、特許を多数取得。

一方で、中学時代から長年メンタル不調に悩まされ、20年近くそこから抜け出せずにいた。

ところが30代になり、あるキッカケから、自分の不調の原因が「思考が強すぎ、感覚を抑圧していること」だと気づく。

そして、試行錯誤の末、瞑想と森林浴で思考と感覚のバランス修正し、たった3日で長年のメンタル不調から脱出。

この体験を活かし、同じように不調に苦しむ人たちを助けたいと思い、本格的にマインドフルネス瞑想と森林療法を学び、指導者資格を取得。

ストレスに悩む現代人向けの、瞑想や森林療法のプログラムを提供中。

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