マインドフルネス瞑想の基本的なやり方

マインドフルネスには、いろいろな瞑想法があります。

一つだけではありません。

「マインドフルネスの定義は?」の記事で紹介しましたが、マインドフルネスの定義は

今この瞬間に、価値判断することなく、意識を向けること

です。

マインドフルネスの瞑想法は、そのためのトレーニングです。

なので、どの瞑想法でも、そのポイントを外さないように取り組んでいけば、効果がでるでしょう。

ここでは、4つのオーソドックスな瞑想法を紹介していきます。

  1. 呼吸瞑想
  2. 歩行瞑想
  3. ボディスキャン瞑想
  4. 観察瞑想

1.呼吸瞑想

マインドフルネスで、一番オーソドックスな瞑想法です。

マインドフルネスの講座を受けると、呼吸瞑想を教わることが多いでしょう。

やり方は単純で、自分のしている呼吸に意識を向け、感覚を感じていきます。

入ってくる息、出ていく息を、ただ自然に感じます。

息が鼻や喉を通ったり、胸やお腹に入っていく感覚、出ていく感覚。

呼吸によってお腹がふくらんだり、縮んだり、肩が上下したりする感覚。

そのような、呼吸で生じる感覚に意識を向け、自然に感じていきます。

途中で、なにか思考が湧いたり、音が聞こえるなどして、他のことに気が散り、呼吸から意識がそれます。

そうなったら、呼吸から意識がそれていることに、自分で気づきます。

自分の意識の状態に、自分で気づくのです。

ここが難しいポイントです。

普段、自分の意識の状態を、自分で気づくことはなかなかできません。

例えば、イライラしたり、あせっていたりしても、自分で自覚することは、なかなかできません。

それでつい攻撃的になってしまい、他人に指摘され、はじめて気づくのです。

自分イライラして、攻撃的になっていたな……。

自覚してはじめて、我に返り、その状態から抜け出すことができます。

自覚できなければ、抜け出すことはできません。

呼吸瞑想のトレーニングでは、自分の意識状態を自分で自覚します。

今自分は考え事をしていて、呼吸から意識がそれていた。

他人に指摘されなくても、それを自分で自覚します。

その力を育てることが、とても重要です。

自分の意識が、呼吸からそれていることに気づいたら、やさしく慌てず、呼吸に意識を戻します。

思考をしていたこと、意識がそれていたことを、責めてはいけません。

良し悪しの評価をせずに、ただ自分の状態を自覚し、やさしく呼吸に戻るだけです。

意識がそれたからと言って、

ダメだ! 上手くいかない!

などと、自分を責めないようにしましょう。

そこも重要なポイントです。

呼吸瞑想を続けることで、思考や感情がしずまり、落ち着いた心が育っていきます。

意識がアチコチに飛び回らず、一つのことへ集中する力を高める効果もあります。

2.歩行瞑想

歩きながら、足の動きに意識を向けて、足の感覚を観察していきます。

足の裏が地面につく感覚、離れる感覚、足が動く感覚など、歩いている時の足の感覚を、ただ感じていきます。

呼吸瞑想と同じように、思考や音など、他のことに気が散って、足から意識がそれたら、それたことに自分で気づき、自覚します。

そして、慌てずやさしく、足に意識を戻します。

続けている内に、意識がハッキリとクリアになってきて、心が過去や未来に飛んで行かずに、今ココにいられるようになります。

呼吸瞑想と比べて眠くなりにくく、やりやすいです。

歩いている時ならいつでもできるので、移動中などに、ついでにやるのもいいでしょう。

3.ボディスキャン瞑想

体の感覚に意識を向けて、体を感じる瞑想です。

頭、腕、胴体、足、などの体の各部分に意識を向けて、その感覚を感じていきます。

手のひらや顔などは、意識が向きやすく、感覚を感じやすいと思います。

足や背中などは、意識が向きにくく、あまり感覚を感じないかもしれません。

感覚がない箇所は、なくてもかまいません。

無理やり感覚を作ろうと力まずに、自然な感覚を受け身で感じるようにします。

慣れてくると、足や背中など感じにく箇所も、感覚がわかるようになってきます。

ボディスキャンをやることで、自分の体の状態を自覚することができます。

この部分が疲れている、凝っている、などもわかるようになります。

それをただ感じるだけで、体が楽になります。

自分の体の状態を自覚することで、体をいたわることができるようになります。

また、体の感覚を感じると、意識を今この瞬間に留めておくことができます。

意識が過去や未来に飛んで、今この瞬間にない場合は、だいたい体の感覚を感じていません。

体の感覚というのは、必ず今この瞬間のモノです。

過去の感覚や、未来の感覚を感じることはできませんよね。

例えば、冬に夏のことを思い出しても、夏の暑さを実際に感じることはありません。

つまり、体の感覚を感じてさえいれば、過去や未来ではなく、今この瞬間に意識を置いておけるのです。

体の感覚を感じることで、マインドフルな意識が育っていきます。

4.観察瞑想

呼吸瞑想では呼吸、ボディスキャンでは体の感覚、歩行瞑想では足の感覚をそれぞれ観察しますが、この瞑想では、いろいろな感覚を同時に観察していきます。

見えるモノ、聞こえる音、体の感覚、思考や感情など、体と心で感じること全てに、広く意識を向けていきます。

視覚や聴覚で感じる体外のこと、体で感じる体内のこと、心の中の思考や感情などを、広く同時に観察し、気づいていきます。

自分の内側も外側も全て感じながら、それらにとらわれない、落ち着いたクリアな心を育てていきます。

この瞑想は難易度が高いので、いきなりやろうとしてもなかなかできないと思います。

他の瞑想を練習しながら、徐々にできるようになっていきましょう。

代表的なマインドフルネスの瞑想法を、紹介しました。

いろいろな瞑想法がありますが、どれも

今この瞬間に、評価判断せずに意識を向ける

という基本スタンスは変わりません。

その基本を忘れずに、マインドフルな心を育てていきましょう。

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この記事を書いた人

大学で物理学と情報工学を学び、卒業後は大手オフィス機器メーカのRICOHで、情報通信技術やテレビ会議システムなど、様々な新規技術の開発に従事し、特許を多数取得。

一方で、中学時代から長年メンタル不調に悩まされ、20年近くそこから抜け出せずにいた。

ところが30代になり、あるキッカケから、自分の不調の原因が「思考が強すぎ、感覚を抑圧していること」だと気づく。

そして、試行錯誤の末、瞑想と森林浴で思考と感覚のバランス修正し、たった3日で長年のメンタル不調から脱出。

この体験を活かし、同じように不調に苦しむ人たちを助けたいと思い、本格的にマインドフルネス瞑想と森林療法を学び、指導者資格を取得。

ストレスに悩む現代人向けの、瞑想や森林療法のプログラムを提供中。

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