マインドフルネスには、様々な効果があります。
代表的なものは、
- ストレスが減る
- 思考/感情に振り回されなくなり、メンタルが安定する
- 集中力が高まる
- 創造性が高まる
- 健康になる
などです。
なぜこのような効果がでるのでしょうか?
その理由を説明していきます。
ストレスが減る/メンタルが安定する
マインドフルネスの効果として、一番にあげられるのがコレでしょう。
マインドフルネスを始める理由として、多くの人があげます。
なぜマインドフルネスで、ストレスを減らせるのでしょうか?
まず、ストレスというのは、頭の中の思考によって作られることが多いです。
例えば、会社でミスをして上司に怒られたとします。
そのことを、家に帰ってからも繰り返し思い出し、頭の中で反復してしまいます。
さらに、その時のミスだけでなく、過去の別のミスを思い出すなど、どんどん思考が広がっていきます。
そして、
自分はもう会社に必要とされない人間なんだ
というように、拡大解釈が進み、さらにネガティブな思考が生み出されていきます。
ミスして叱られたという出来事を種として、ネガティブな思考がどんどん膨れ上がっていき、その思考にとらわれて抜け出せなくなるわけです。
実際に上司に怒られている瞬間は、ストレスの原因は上司です。
しかし、その後何時間も何日も、ストレスを感じ、引きずってしまう場合は、ストレスの原因は、頭の中で作った思考です。
マインドフルネスのトレーニングを積むと、このような思考へのとらわれが弱まり、抜け出しやすくなります。
「ミスして叱られた」という事実は消えませんが、そこからネガティブな拡大解釈をしたり、ずっとそのことを考え続けクヨクヨしてしまう、ということが減っていきます。
それが、マインドフルネスでストレスを減らせる理由です。
集中力が高まる
現代を生きる私たちの集中力は、とても低くなっていると言われています。
とある研究によると、一つのことに意識を集中していられる時間は、平均8秒程度だとか……
その集中力は、年々低下し続けているそうです。
- スマートフォンなどデジタル機器の普及
- SNSの普及
- 世の中のスピードアップによるタスク(やるべき事)の増加
などが原因で、集中を邪魔する要因が多く、集中力が続かないのです。
皆さんも心当たりがありませんか?
読書や勉強をしていても、すぐにスマホを見てしまう。
落ち着いて、一つのことを長時間続けられない。すぐ気が散ってしまう。
人の脳は、もともと物事を同時並行で進めるのが苦手です。
同時並行にやっているつもりでも、実際には一つのタスクを途中で止めて、別のタスクを始める、というように、タスクを切り替えているのです。
このタスクの切り替えは、脳のエネルギーを大きく消費します。
一つのタスクに集中せずに、複数のタスクを同時並行で進めていると、効率が落ち、疲労が増え、ストレスが増えてしまうのです。
そのことは、様々な研究で実証されています。
同時並行で作業し、効率を上げているつもりで、かえって効率が下がっているのです。
マインドフルネスでは、あちこち飛び回る意識を、呼吸や身体感覚など一つのことに集中させるトレーニングをします。
そうすることで、意識があちこち飛んでしまわずに、一つのことに集中できるようになります。
それが、トータルでは処理の効率を高めることになります。
創造性が高まる
マインドフルネスをやると、ヒラメキが増え、アイデアがわきやすくなり、創造性が高まると言われます。
なぜでしょうか?
その理由は、マインドフルネスで、自分の心への観察力が高まるからです。
マインドフルネスでは、呼吸や身体感覚を観察するだけでなく、自分の思考や感情など、心の観察もします。
そうすると、自分が何を考えているか、何を感じているかを、自分で自覚する力が高まります。
自分が何を考えているか、感じているかなんて、わかってるよ!
と思うかもしれません。
しかし、実は意外とわかっていないものです。
人は一日中、いろいろなことを考え、感じています。
とてつもない量の思考が、浮かんでは消えていきます。
思考は、「自分が能動的に起こしている」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。
勝手に湧いてきて、勝手に消えていくものがほとんどです。
自分が何か考えている時、その思考がいつ始まったのか、なぜ始まったのか、どこから出てきたのか、答えられますか?
難しいでしょう。
思考というモノは、自分が意識せずに勝手に始まり、勝手に終わっていることがほとんどなのです。
そういった思考全てを、自分で把握するのは、かなり難しいです。
人の頭の中では、常にいろいろな思考が生まれては消えています。
そしてその中に、良いヒラメキが混ざっていることもあります。
しかし、自分の心への観察力が低いと、せっかくよいヒラメキがあっても、それに気づかずスルーしてしまいます。
なんとなく頭によぎったヒラメキを、無視してしまうのです。
心への観察力が高まると、なんとなく頭によぎったヒラメキに、気づくようになります。
良いアイデアを、つかまえやすくなります。
マインドフルネスで、ヒラメキやアイデアが増え創造性が増すのは、そういった理由です。
健康になる
現代人の生活は、多忙でプレッシャーが強く、緊張している時間が長いです。
緊張していると、交感神経が優位になり、血圧や心拍数が高まります。
体に力が入り、呼吸も浅くなります。
その状態が長時間続くと、体に負担がかかります。
睡眠が浅くなったり、胃腸の働きが悪くなったり、肩や首が凝るなどの悪影響がでます。
そういったことが、健康を損なう原因になります。
マインドフルネスのトレーニングを続けると、心が安定し、落ち着いてきます。
すると、副交感神経が働きやすくなり、心と体の緊張感が減ります。
すると、血圧や心拍数が下がり、体から無駄な力が抜け、呼吸も深くなります。
睡眠も深くなり、胃腸の働きもよくなります。
そういったことが、体の調子をよくして、健康につながっていきます。
マインドフルネスで癌が治る!
とか、そういうことではないのですが(笑)、心と体の負担を減らし、長い目で見て健康になっていきます。
さて、マインドフルネスの代表的な効果を説明してきました。
いかがでしょうか?
これら効果は、仏教の瞑想では昔から言われていたことですが、近年では医学的な研究でも示されるようになってきています。
マインドフルネスの効果は、別に魔法のようなものではなく、ちゃんとした根拠があるモノなのです。