マインドフルネスに限らず、瞑想というのもはどれも、人の心を扱うメソッドです。
心に影響を与えるメソッドなので、間違ったやり方をすると、かえって害になることもありえます。
とはいっても、一日に5分~10分程度やるくらいなら、ほとんど問題はないでしょう。
ただ、もっと長時間やりこむ場合は、間違った方向に進まないよう、十分に注意する必要があります。
間違った方向に進んでいても、独学で一人でやっていると、そのことになかなか気づきません。
そうなると、瞑想をやってかえってメンタルの調子が悪くなってしまう、ということになりかねません。
安全にマインドフルネスに取り組むためにも、瞑想で気をつけるべきポイントを、理解しておく必要があります。
大きく以下の4つのポイントについて、説明していきます。
- 思考や感情を抑圧してしまう
- 心の内面が見えて苦しくなる
- 集中しずぎる
- 瞑想中毒になる
1.思考や感情を抑圧してしまう
瞑想中は思考を完全に止めないといけない、無にならないといけない
と思ってやってしまう人がいます。
そして、瞑想中に出てきた思考や感情を、無理やり抑え込もうとしてしまいます。
ああ、思考が出てきてしまった! 消さなきゃ!
こういう思考の扱い方は良くないです!
自分の思考や感情を否定すると、自分を否定することになり、自分への攻撃になってしまいます。
自己否定感が強くなってしまいます。
否定されたモノは抑圧され無意識に潜り、いつまでも残ってしまうかもしれません。
思考や感情が消化されず、かえって大きくなってしまうかもしれません。
思考や感情を否定せずに、ありのまま認め、受けとめてやるスタンスが大切です。
2.心の内面が見えて苦しくなる
マインドフルネス瞑想では、自分の思考や感情を観察していきます。
すると、普段は見えていなかった心の内面が、見えてくることがあります。
過去の嫌な記憶や、自分の認めたくない部分や、将来の不安などが見えることがあります。
それで不安感や憂うつ感を感じたり、ショックを受けてしまうこともあります。
心の内面が見えるのは、悪い事ではありません。
見えることで、それらを認め、解消していくこともできます。
ただ、いきなり内面深くに入り込みすぎると、刺激が強いかもしれません。
特殊な誘導や、極端な長時間瞑想などをすると、深く入りすぎることがあります。
無理に深く行かずに、少しづつ自然に見えてくるくらいが、ちょうど良いです。
無理せず、少しづつ自分の内面と向き合っていきましょう。
3.集中しすぎる
瞑想では、呼吸や特定の感覚に意識を向けていきます。
しかし、ひとつの対象に意識を集中させ続けることは、簡単ではありません。
それをあまり厳密にやろうとすると、心や体に力が入りすぎて苦しくなったり、頭痛が起こったりする場合があります。
音などの集中を妨げるモノが、とても邪魔に感じたりします。
そうなると、かえって意識が狭く固くなり、フラストレーションがたまります。
完璧主義にならないようにしましょう。
力まずリラックスして、自然に呼吸や感覚を感じる、くらいの力加減がおススメです。
強く一点集中する瞑想法もありますが、なかなかに高度で、初心者が独学でやるのは難しいです。
そういう瞑想をやりたい場合は、その瞑想法に熟達した指導者に直接習いましょう。
4.瞑想中毒になる
瞑想をしていると、恍惚感を感じたり神秘体験をする人も、たまにはいます。
別にそれに良いも悪いもないのですが、それをメインの目的にして、
またその感覚を味わいたい!
と瞑想をするようになると、本来のマインドフルネス瞑想の目的とはズレてしまいます。
マインドフルネス瞑想は、今ココで感じている感覚や思考や感情を、ありのまま観察していくものです。
特定の感覚を強く目指して瞑想をすると、頭の中でその目指すイメージを作り、そのイメージに意識を向けるようになります。
つまり、ありのままの心と体に意識を向けるのではなく、頭で作ったイメージに意識を向けてしまうのです。
それでは、ありのままを観察できなくなってしまいます。
さらに、その特殊な状態に執着してしまい、瞑想中毒のようになってしまうこともあります。
そうなると、瞑想中は気持ちいいけど、日常生活がかえってつまらなくなります。
例えるなら、タバコやお酒のようなものです。
タバコを吸っていない人は、吸ってない状態が普通ですよね。
しかしタバコを吸っていると、吸っていない状態が不満になってきます。
吸えないとイライラしてくる。
それと同じで、瞑想をしていないと、イライラしてくる。
瞑想をやっているのに、かえって普通の人より気性が荒く、怒りっぽくなってしまう人がいます。
そういう人は、このパターンにハマっています。
瞑想の特殊状態にハマってしまい、瞑想中毒のようになってしまうと、日常への不満感がかえって強まります。
これでは本末転倒です!
瞑想中だけ気持ちよくなっても、日常生活が悪化してしまったら意味がありません。
気をつけましょう!
さて、瞑想の危険性について、代表的なポイントを説明してきました。
あまり世の中にこういう情報は出回っていないので、気をつけてください。
特に、もともとメンタルの調子が悪い人は、独学でハードに瞑想をやらない方がいいです。
一度はキチンとした指導者に習いましょう。
そして、もし自分が間違った方向に進んでしまった場合は、それを周りの人が気づけるような場を持っておくとよいです。
瞑想の疑問点や調子を話したり、質問できる人のいる環境で続けるのが、おススメです。